応用情報技術者試験について解説!難易度や申し込み方法なども紹介します
今回は「応用情報技術者試験」について解説します。試験の内容や特徴、受験や申し込みの方法、勉強について紹介します。
まず初めにこの試験について大まかに紹介するとこうです。
応用情報技術者試験とは
- IT 系の国家資格
- "基本情報技術者試験" の上位資格
- ワンランク上を目指す IT エンジニア向け
- 午前試験はマークシート試験
- 午後問題は記述試験
それではよろしくお願いします。
概要を簡単にまとめます。
情報処理技術者試験に分類されており、応用情報技術者試験その中でレベル3に位置付けられており
IT エンジニアの登竜門とも言われる「基本情報技術者試験」の1ランク上の資格にあたります。
情報処理技術者試験(IPA)の各試験の関係性
- レベル1:IT パスポート、情報セキュリティマネジメント
- レベル2:基本情報技術者 ※エンジニアの登竜門
- レベル3:応用情報技術者 ※これ
- レベル4:スペシャリスト系(1つの分野に焦点をあてた専門性の高い試験)
このような関係性があります。応用情報技術者試験は上から2番目の「レベル3」にあたる試験です。
基本情報技術者試験では「 IT 人材として求められる基礎的な知識や技能を有しているか」問われます。応用情報技術者試験では「高度な IT 人材として求められる応用的な知識や技能を有しているか」を問われます。求められているレベルが上がります。
合格条件はこちらです。どちらの条件もクリアすることで合格となります。
- 午前試験(マークシート)で60点以上を取る
- 午前試験(記述)で60点以上を取る
合格率は例年 20%程度なので難易度は高めです。
受験時期
4月と10月の第3週目の日曜日にそれぞれ1回ずつ実施されます。
【メモ】
2021年秋は10月の第2週目の日曜日に試験日が変更されました。なので今後も試験日が変更される可能性ありです。 4月と10月の日曜日にあるんだなという認識があれば良いと思います。
出題形式
出題形式と試験時間はこちらです。朝から夕方近くまであります。
出題形式と試験時間
- 午前試験は四択問題のマークシート形式で150分間(9:30 - 12:00)
- 午後試験は記述式で150分間(13:00 - 15:30)
11の設問の中から5問選択して回答する
午前問題について
試験内容についてです。
午前問題はこのような割合で計80問が出題されます。
- テクノロジ系:50問
- マネジメント系:10問
- ストラテジ系:20問
以下、各分野の出題範囲です。幅広い範囲が対象になっています。
テクノロジ系
No | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
1 | 基礎理論 | 基礎理論 |
2 | 基礎理論 | アルゴリズムとプログラミング |
3 | コンピューターシステム | コンピューター構成要素 |
4 | コンピューターシステム | システム構成要素 |
5 | コンピューターシステム | ソフトウェア |
6 | コンピューターシステム | ハードウェア |
7 | 技術要素 | ヒューマンインタフェース |
8 | 技術要素 | マルチメディア |
9 | 技術要素 | データベース |
10 | 技術要素 | ネットワーク |
11 | 技術要素 | セキュリティ |
12 | 技術要素 | システム開発技術 |
13 | 開発技術 | ソフトウェア開発管理技術 |
マネジメント系
No | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
14 | プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
15 | サービスマネジメント | サービスマネジメント |
16 | サービスマネジメント | システム監査 |
ストラテジ系
No | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
17 | システム戦略 | システム戦略 |
18 | システム戦略 | システム企画 |
19 | 経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
20 | 経営戦略 | 技術戦略マネジメント |
21 | 経営戦略 | ビジネスインダストリ |
22 | 企業と法務 | 企業活動 |
23 | 企業と法務 | 法務 |
午後問題について
午後問題についてです。午後試験は記述式となります。
出題された11題の設問の中から5問選択して回答します。
※情報セキュリティは必須選択問題です。
No | 出題内容 | 選択 |
---|---|---|
問1 | 情報セキュリティ | 必須 |
問2 | 経営戦略に関すること | |
問3 | プログラミング | |
問4 | システムアーキテクチャ | |
問5 | ネットワーク | |
問6 | データベース | |
問7 | 組み込みシステム開発 | |
問8 | 情報システム開発 | |
問9 | プロジェクトマネジメント | |
問10 | ITサービスマネジメント | |
問11 | システム監査 |
難易度
難易度についてです。この試験は「難しい」試験に分類されるでしょう。
そう言える根拠はこちらです。
応用情報技術者試験が難しいと言える根拠
- 受験者の平均年齢は30歳前後で中堅レベルの人たちが多く受験している
- 合格率は20%くらい
- 受験者の多くが「ITの知識や経験を身に着けている人」という集団の中で2割だけ合格するような試験
とはいえ、学生やIT知識のなかった人も合格してるという話もあるので、しっかりと学習を進めれば十分に合格できる試験ではあります。
私も過去に受験しました(※結果は別の記事で載せてます)が、「そこまで身構えるほどの難易度ではなく、しっかり勉強できていれば十分対応できるかな」というのが実際に試験を受けた者としての感想です。基本情報とそんなに変わらない気さえしました。
実際に勉強していて実感したことを共有します。
- 午前問題の勉強方法として過去問を解き続ければ60点以上(48問/80問正解)は取れそう
- 午後問題は1問を30分で解く必要があるので問題を解くスピードが求められる
- 事前の戦略と時間配分が午後試験突破のコツ
- 1つの設問で詰まって考え込んだり、のんびり解いていたりすると60点は超えない
申し込み
申し込みについてです。
申し込み時期
申し込み開始は
春試験:およそ1月中旬くらいから
秋試験:およそ7月中旬 くらいから
で、そこから大体3週間くらいの期間があります。
【メモ】
2021年秋の申し込み期間は例年に比べ短かったです。1週間ちょっとでした。今後もそういった可能性があるので、受験を検討されている人は事前にIPAのサイトから申し込みの期間をご確認ください。
申し込み方法
情報処理推進機構(IPA)のサイトから申し込みます。
(⇒IPAサイトの申し込みページへ)
申し込みの流れはこうです。
申し込みの流れ(以前の古い情報)
申し込みサイトの申し込みフォームから必要情報を記載し登録仮登録完了メールが届く登録時に指定した支払方法で受験料を支払う受付完了メールが届く
受付完了メールが確認できたら申し込みは完了です。
※現在は上記の申し込み方法はないので新しい申し込み方法をご覧ください。別の記事でまとめています。IPAの情報処理技術者試験の申込方法が変わっていたので共有します
申し込みが完了したら受験票が指定した住所に届くのでそれを持って試験会場へ行けばOKです。受験日の1週間前くらいには届くはずです。
受験料と支払方法
受験料は 5700円(税込み) です。
支払方法はクレジット、ペイジー決済、コンビニ払いがあるので好きな支払方法を選べば良いと思います。
【メモ】
法律の改定に伴って、2021年秋の受験料は 5700円 ⇒7500円に値上がりしました。 なので2021年秋以降の受験料は7500円に変わりそうです。
合格発表
受験日から2カ月経ったくらいにIPAのサイトで合格発表ページが開設されるのでそこから合否の確認ができます。
(⇒ IPAサイトの合格発表・成績照会ページへ)
成績照会で気を付けること
- 試験が終わったあとに受験票を無くさないように気を付ける
受験票に成績照会用のパスワードが記載してあるので保管すべし(現在はWeb管理に変わったのでない)成績照会では受験番号とパスワードが必要。パスワードがわからない場合は自分が午前と午後でそれぞれ何点取れていたか確認できなくなってしまう。(現在はWeb管理に変わったので特に気にしなくて良い)- 受験番号だけでも自分の合否は確認できる
合格していた場合は、合格発表から1カ月後くらいに合格証書が簡易書留にて届きます。合格したら合格証が届くのをのんびり待ちましょう。
どんな人におすすめ?
いくつか挙げます。
ITの知識を幅広く取得したい人
基本情報技術者試験よりもさらに深いところの知識を得られます。学ぶ範囲が広いですがどの分野の知識も知っておいて損はない知識であることは間違いありません。なので、これからIT関連の知識を身に着けたいという人にも良いかと思います。
ITの知識を技能に関する客観的な評価基準が欲しい人
この資格を持っていると、自身が応用情報技術者試験レベルの知識と技能を持っている人だという証明になります。
キャリアアップを目指す人
企業によっては昇進の条件であったり、転職時にこの資格を持っていることが有利に働くことがあります。
給与アップ または 報奨金獲得を目指す人
企業によっては応用情報技術者試験に合格することで、手当てが付いたり、報奨金が出たりする場合があります。
レベル4の資格試験を受験予定の人
この資格を持っていると、 合格から2年という制限はありますがレベル4のスペシャリスト系の午前問題の一部試験が免除になります。レベル4の試験は午後試験が特に難しいので、午前問題の一部試験が免除になるということはその分午後試験の対策に力を入れることが可能になります。
何とも言えないところ
ここでは、個人的に「うーんどうだろう」と思う部分を挙げておきます
応用情報技術者試験に受かったからと言っても
- IT業界なら必ず評価されるというわけでもない⇒資格よりも実績重視のところがその傾向
- 急激に仕事ができるようにはならない⇒それはそうか
- この資格を対外向けにアピールする(例えば転職とか)には少し物足りない印象がある⇒レベル4の資格だったら十分アピールになると思う
こんなところでしょうか。
まとめ
以上、「応用情報技術者試験」についてでした。"応用"と名前が付いていることもあり、合格するのはそんなに簡単ではありませんが取得するメリットと意味は大いにあると思います。また、学習すればITに関する知識を幅広く身に付けることができます。
合格率が低く難しい試験ではありますが、実務経験のない人でも十分に合格可能です。独学でも合格はできます。筆者は独学で合格できました。
ですが、せっかくならこの試験を突破することをゴールにするのではなく、そこまでいったらレベル4の高度情報技術者試験の合格まで目指すのが良いかなと個人的に思います。
それではこれで終わります。